長崎大学が中心となって県や企業などと取り組む「ながさきBLUEエコノミー」事業は養殖業にデジタル技術を取り入れて持続可能な産業として育てていこうというもので、国から10年間で最大20億円の補助を受けている。事業ではまず国内ではおよそ2割しか普及していないブリの稚魚を人工的に育成する研究を始めていて、長崎市が所有する水産センターの旧高島事業所を活用した施設の内部が報道関係者に初めて公開された。施設には直径6メートル深さ70センチほどの国内で飼育する水槽が2つ並べられていて、事業のプロジェクトリーダーを務める長崎大学の征矢野清教授が国が育てた人工のブリの稚魚をことし3月に搬入し飼育試験を開始したことなどを説明した。稚魚は現在15センチほどの大きさで施設では水温や光の強さを調整しながら3年後には成魚から採集した長崎大学初の稚魚の完成を目指すということで「将来的には沖合養殖を実現させることで海外での販路拡大などにつなげたい」としている。