きょうオススメするのは広瀬すずさん・二階堂ふみさん・松下洸平さんらが共演し、今年の「カンヌ国際映画祭」にも出品された「遠い山なみの光」。舞台の1つは1950年代、戦後間もない被爆地・長崎。広瀬さん演じる主人公・悦子は間もなく出産を控えようとしていた。その悦子と知り合うのが二階堂さん演じる佐知子。1人娘を育てながらアメリカ人男性と交際していた。生き方の違う女性2人の視点を通じ、終戦後の長崎が描かれている。この映画で特に細田さんがオススメする”三つ星シーン”が「あの時代を生き抜いたしたたかな女性の女性像を体現している」という点。映画で象徴的に描かれるのは女性2人の揺れる感情。例えば佐知子は被爆した一人娘に偏見の目が向けられると、1人で我が子を守る母の強さを見せる。一方、悦子は戦時中教壇に立っていた元教師。教え子たちが被害にあった日のことを思い出すと、頭から離れない苦しさに涙が止まらない。女性たちの思いが色濃く表現されている。