30代のホームレスは多いが、見かけだけでは気が付かれないという。8月の完全失業者の数は30代が、80万人。前年同月比31パーセント増となっている。有効求人倍率は過去最低。5人に1人ぶんしかない厳しい雇用情勢。生活に困窮する働き盛りの30代が急増している。北九州市で餓死したとみられる39歳の男性が見つかっている。周囲に相談できず、生活保護の申請もしていなかった。自立した社会生活を送るにはどうしたらいいのか。北九州市で孤独死していた男性は、助けを求める機会がありながら、たすけて!と言えなかった姿が浮かび上がってきた。今年4月、誰にも気づかれることなく亡くなっていた。住宅地の一角に住んでいた。男性は布団の上で亡くなっていた。70キロ近くあったが、やせ細っていた。冷蔵庫の中には何も食べるものはなかった。所持金は9円だった。地元の公立高校に通いラグビー部に所属。スポーツ好きで、活発な青年だった。つきあいは広かったという。専門学校に卒業、金融関係の会社に就職。過酷な勤務で体調を崩し、仕事が続けられなくなった。バブルが崩壊し、再就職できなかった。飲食店のアルバイトで生計を立てた。リーダー的な存在になっていた。仕事への情熱は高かったとのこと。人員削減は進み、潰れる店もあった。7つのアルバイト先を渡り歩いた。そうした中、借金が生活を追い詰めた。生活費のために150万円の借金をしていた。14万円のほとんどを返済にあて、多重債務に陥った。去年11月、アルバイト先に借金の取り立ての電話がかかってくるようになり、迷惑をかけられないと言い、店を辞めた。そして収入が無くなった。その窮状を家族い伝えることはなかった。兄だけが親族だった。兄へ相談することはなかった。本人はなんとかしようと思っていたという。1月に生活保護の窓口を訪れたという。相談記録には、負債はないと答えていた。健康体であれば仕事はあるはずだと相談員は伝えた。わかりましたと言い、ふたたびそこを訪ねることはなかったという。それから、電話で親友の母にある頼み事をしたという。何か食べさせてほしいと。友人の母はパックにつめた食べ物を差し出した。男性は笑って帰っていったという。それから10日後、帰らぬ人になった。手紙が残されていた。たすけてと綴られていたとのこと。