10月に棟上げを終えた母屋は鳥居の形のような心柱と棟木。それを囲む母屋の骨組みという状態。棟木と母屋の骨組みの上に組まれた軒桁の間にこれから28本の垂木をかけていく。難しいのは棟木と垂木が接する上の部分と軒桁と垂木の下の部分の格好。垂木と軒桁が接する部分は垂木をくの字に削って軒桁にはまるようにし、垂木が滑り落ちないようにする。ここで力を発揮したのは棟木と同じく垂木も1本1本3Dデータ化してそのデータを元にして作った型紙。それに合わせて垂木を刻んでいく。まずは正面からかけていくというがハーネスをつけクレーンで持ち上げる。この作業について金澤さんが最も不安に思っていたもので、経験豊かな親方にとっても初挑戦。職人が棟木にのぼり、クレーンを操作し、乗せていく。しかし誰木の上の部分が本来なら反対部分とぴったりになるはずが数センチ足りず、下の軒桁にハマる部分を削り直し、全体をあげるように修正した。そしてもう一度のせた結果設置が完了。その後も残り27本を乗せる作業が続いた。11月になり、ラスト1本の垂木が乗せられ骨組みが完成した。またこれからこの骨組みに茅葺きの作業を行うという。