大和証券キャピタルマーケッツアメリカのシュナイダー恵子さんは「金融政策、利下げ期待については最近は高金利は長く続くという見方が増えている。年内3回の利下げがコンセンサスだったのが雇用統計、先週のCPI、きょうの小売売上高を受けて2回を切っている。6月利下げ開始の見方も後ずれして9月開始が年始になっている。一部の連銀高官からは年内1回、さらには0、利下げがないかもしれないという発言も出ていて、これが4月に入って相場の値動きを粗くしている。失業率は3.8%と極めて低く、景気は力強いが企業からは消費原則の声も聞こえ始めている。「ルルレモン」と「アルタ・ビューティ」は小売り業界でも成長株として人気銘柄だったが足元で急落している。ルルレモンは決算でアメリカの売上が軟調だとコメントした。一方アルタ・ビューティーは投資家カンファレンスで今年に入って思ったより早く売上が減速しているとコメントし、急落した。これまで消費を牽引してきたZ世代とミレニアル世代がコロナで浪費癖がついたと反省している。アンケートでは特にSNSで影響を受けたという回答が多く、クレジットカードの返済が厳しくなっている。その反動から2024年に入って若者たちのあいだで「必要なもの以外は買わない」、「無駄使いしない」といった今年の目標のようなフレーズが流行っているそう。足元は利下げの後ずれや地政学リスクなどが重しになっているが、景気の強さとAI投資の急拡大で企業業績は堅調。「エヌビディア」の株価は1年で3.3倍上昇したが業績も急上昇しているので予想PERは35倍と割高感はない。AI半導体の技術では今のところ敵なしなのでリーダーシップはゆるぎそうにない。エヌビディアの株価はここ1ヶ月ほど値動きが重い。これは利下げ期待の後退と投資家イベントを通過して利益確定だが足元アナリストの目標株価引き上げが続いている。「イーライリリー」は肥満症治療薬「ゼプバウンド」で一躍時価総額トップ10入りしたが予想PERは60倍とIT並のバリエーションになっている。イーライリリーの株価も1年で2.3倍となった。長期的には期待できる銘柄だが今年は去年ほど急ピッチでは上がらない可能性もある。」などと話した。