日本人に愛されているスルメイカだが、水産庁が当初の漁獲枠から来年度は3.6倍に増やすことで漁業関係者と大筋合意した(朝日新聞)。スルメイカはかつてたくさん獲れていたが、どんどん減ってきたために資源を守るために漁獲枠が設けられるようになった。しかし現在の漁獲実績は漁獲枠に遠く及んでいない。さらに近年は不漁が続いたため漁獲枠を過去最低まで絞り込んだところ、一転去年は豊漁となった。イカの干したものを「寿留女(スルメ)」と呼ぶが、「嫁ぎ先に末永くとどまる」という意味だという。縁起物としてかつては結納に使われていた。料理研究家の青木敦子氏によればスルメイカは肉厚で甘みがあり、刺身や姿焼きなどどんな料理にも向いているという。イカ博士として知られる函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長によると、日本近海で獲れるスルメイカは東シナ海で生まれ、対馬暖流や黒潮に乗って北上するという。そこから日本列島をぐるりと周り東シナ海へ戻るが、1年で一生を終えるという。去年豊漁の理由は黒潮の大蛇行が終了したためで、本来の産卵海域に黒潮が届くようになり産卵数が増えたのではないかという。スルメイカの卸売価格は8年間続いた黒潮の大蛇行に合わせるように上昇していたが、去年の豊漁期に半額以下に下がった(東京都中央卸売市場の資料を基に作成)。今年も豊漁の場合、去年と同程度の価格になるという。しかしイカはいまだに生態に謎が多く、どれだけ増えているのか注視する必要があるという。
