網を引き上げる作業を開始すると、タチウオが多くかかっていた。手を噛まれないように注意しないといけない。定置網を船に固定し、取っ手付きの網で魚を生簀に移し、氷で締めた。タチウオ以外にも、超高級魚のクエなどもかかっていた。午後11時30分、最後は大型のタモ網を用いて、漁が終了した。通常はこれから別の定置網にも向かうが、今日は天候が悪いためここまでにして市場へ向かった。途中、野崎さんは漁師になった経緯について話してくれた。野崎さんは専門学校卒業後、10年ほどは飲食店などでバイトを転々としていたが、島の神社が流行りだしたため島に戻って売店を始めた。そのころ、昔は多くいた漁師が減ってしまっていることに気付き、島の定置網漁を後世に残すため、親を継いで漁師の道を志した。午前0時30分、市場に到着した。まずは獲れた魚の仕分けを行った。午前2時、仕分けが終了した。午前3時、高島へ帰港した。休憩した後、野崎さんが家族と経営する売店に向かった。店には母親やいとこがいた。売店内の加工場で、販売用に獲った魚を加工した。島の小学生の給食用にも配布されるほか、近所の人たちへおすそ分けもしている。午前6時、加工がひと段落したところで母親と朝メシを作った。そして6時30分、野崎さんは母親とともに獲れたての食材が並ぶ朝メシを食した。野崎さんは定置網漁を受け継いでいく意志や、島に興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいという思いなどを話した。