小児がんや心臓病など長期間にわたり入院が必要な子どもたちはつらい治療に加え休学や進学をあきらめるといった課題に直面する。さらにその家族も不安や悩みを抱えて孤立しやすいという。こうした中香川県丸亀市の団体・NPO法人代表・吉田ゆかりは当事者たちを支え闘病中も楽しみや安心を届けようと活動している。吉田は9年前10歳の二男が小児がんと診断され突然の入院生活を経験した。自分が守ってあげるという思いで仕事を減らし看病に費やしたが、返って親子を社会から切り離してしまうことになったという。転機となったのは県外の大きな病院に移ったこと。そこでは同じような境遇の保護者が集まり、支援などについて広く情報交換などをしていた。自分と同じような状況に陥る親子を少しでも減らしたいと、吉田はNPO法人を設立。交流場所を設けたり、毎週末のようにイベントを開催。さらに子供たちの孤独を和らげる取り組みも。分身ロボットを学校の授業やイベントに貸し出し病室からでも友達との時間を過ごせるようにしている。この取り組みに救われた親子は、吉田が学校に掛け合って修学旅行に分身ロボットを横行させてもらうことができたという。現在親子は吉田が企画するイベントに積極的に参加をし自分たちの経験を伝えるようにしている。そして、吉田は今地域の人たちに知ってもらう活動にも力を入れている。イベントに参加して闘病中の子どもたちの募金を募るとともに、万が一の時には支援が受けられることを知ってもらおうとしている。