千歳烏山にある洋菓子店「ラ・ヴィエイユ・フランス」。オーナーシェフの木村成克さんはスイーツ業界の重鎮の1人。厨房の従業員は7人で誰もが木村シェフに憧れて入店してきた。2023年春、店に採用され上京した金野来さんの新たな日々が始まる。3人きょうだいの末っ子で兄も修行中。父の基で一通りのことは学んできたという来さんは、入社3年目のインドネシア出身のアレックさんから学ぶことになった。木村さんは24歳でフランスに渡り名門パティスリーで11年修行。伝統の業を頑なに守り続けるラ・ヴィエイユでは業務用素材をほとんど使っていない。入店3か月、来さんはタルトの仕込みも熟し、プレート書きも任されるようになっていた。来さんは木村さんから叱られた日、スタッフの中で最も経験豊富な草野さんと食事に訪れ木村さんの話題で盛り上がった。