規正法改正「採決」見送り。採決直前での二転三転劇に自民党内からも「ガバナンスが崩壊した」の声が漏れるなど政権が危機的状況にあることが露骨に示された格好。今の国会で解散総選挙に踏み切るかどうかについて岸田総理は「今は先送りできない課題に専念しており、それで結果を出す。それ以外は考えていない」とコメント。「9月の自民党総裁選挙向け、解散総選挙で国民の審判を受けた上で再選を目指す」というのが基本戦略だったが、直近の衆院補欠選挙や静岡県知事選挙の敗北で、とても解散どころではないという声が政府与党内では支配的。先日、岸田総理が総理公邸でひそかに岸田派幹部と会談した際には、出席者から「解散して自民党を下野させた総理になるよりも、憲法改正を発議した総理として名を残すべきだ」と促される場面もあったという。今後は、その憲法改正を目指すほか、今月から始まった1人4万円の定額減税や外交成果などを訴えていく方針だが、今回の規正法改正をめぐって麻生副総裁、茂木幹事長との溝をさらに深めるなど、政権の求心力は低下する一方。