南海トラフ巨大地震に備えて全国で最も高い34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町では津波避難タワーに住民が必要な食料や薬などを個別に備蓄する取り組みが行われている。黒潮町の町地区では8年前、京都大学防災研究所と協力し津波避難タワーや高台の防災倉庫に「個人ボックス」と呼ばれる箱を設置している。この箱には住民が避難したあと必要な食料や薬、衣類などを個別に備蓄しているため災害時に自宅から必要なものを持ち出すことなく速やかな避難につながると期待されている。こうした取り組みをさらに広めるため住民みずから「個人ボックス」の備蓄品を紹介する動画の撮影も始めている。このうち聴覚障害がある女性は「困りごとや筆談の希望など意思疎通を行うためのカードを入れています」と手話を交えて紹介していた。能登半島地震では道路の寸断による集落の孤立や物資の輸送が課題となっていて事前に住民が必要なものを避難場所に確保しておくことも求められている。