三陸の海にやってくるウミガメ。水温が高くなる時期に定置網漁の網にかかるなどしその姿が確認されている。こうしたウミガメを対象に生態を研究しているのが東京大学・大気海洋研究所の佐藤克文教授。北の海は青年期のウミガメにとって好都合ないい餌場ではないかという状況が見えてきたという。ウミガメの生態を知るために佐藤教授が行っているのがバイオロギングと呼ばれる研究方法で小型カメラや記憶装置などを取り付け海の中の行動をウミガメ目線で観察することができる。佐藤教授のもとで4年前からウミガメの研究に取り組む阪井さん。ウミガメに装着する装置は負担にならないよう重さを調整し一定時間で外れる仕組みになっており、誤って定置網漁にかかったウミガメなどに装着し放流する。3日後の朝4時、ウミガメから切り離された記録装置の位置を確認、釜石市の港から南に約50キロ離れた気仙沼にあることがわかった。南三陸町の船に協力してもらい現場へ向かい記録装置の電波を受信しながら回収に成功。記録装置を回収した翌日、研究グループのメンバーがデータを確認。映像にはウミガメがクラゲなどの浮遊生物を食べている様子が確認された。こういった調査でこれまで生態がわからなかった内容を明らかにしてきた。佐藤教授は陸上の気象を左右する海の状況と測定することは重要でそれにバイオロギングのデータが貢献できることがわかってきたとのべた。