ホンダと日産自動車はきょうそれぞれ取締役会を開き、経営統合に向けた本格的な協議に入ることを議論したうえで基本合意書を締結する見通しで、関係者によると来年6月の最終合意を目指すという。両社は持ち株会社を設立したうえで、それぞれの会社を傘下に収める形で統合する方向で検討していて、実現すれば販売台数で世界3位のグループが誕生する。両社はきょう午後にも記者会見を開くことにしていて、日産が筆頭株主となっている三菱自動車工業のトップも出席し、協議への参加検討を正式に表明する見通し。経営統合の協議を進める背景には、EV(電気自動車)や自動運転、さらに今後競争の鍵を握るとされているソフトウエアなどの開発で米国のテスラや中国のBYDなどの新興メーカーが存在感を高め、自動車業界の競争の構図が大きく変化していることがある。こうした分野の開発には巨額の投資が必要で、両社は「統合によって開発費の分担や経営の効率化を進めることで競争力を高めたい」としている。両社の強みを生かし、相乗効果を出していけるかが焦点となる。