アメリカの大学で反イスラエルデモが広がっている。このデモに対しバイデン大統領は今月2日、「平和的デモと違い暴力的なデモは保護されない。デモの権利はあっても混乱を引き起こしてはならない。」などと述べ、記者からの「デモによって中東政策は見直すのか?」との質問には「NO」と答えた。一方でイスラエル政府の関係者の話としてバイデン政権がイスラエルへの弾薬の供与を先週から停止したと報じられていて少し対応の変化が見られる。中林さんは「デモが長引くと大統領再選のカギを握る若年層離れが進むのでは」と指摘する。アメリカの若年層の特徴として環境・中絶・人権に関心が高く、全体的な左傾化が見られる世代ということで民主党と親和性がある。2020年の大統領選のときには30歳未満の有権者の6割が民主党に投票した。18~29歳の有権者の支持率は2020年の大統領選のときにはバイデン氏が51%、トランプ氏が28%だったが、今年の4月にはバイデン氏が45%、トランプ氏が37%と支持率の差が縮まっている。18~34歳の有権者のうち「政権のガザ対応を評価しない」と答えた人が81%、「バイデン氏の大統領就任は失敗だった」と答えた人が68%にのぼっていてバイデン政権に厳しい評価がされている。トランプ氏はこのデモについて「大学内のテントを直ちに撤去し過激派を追い出すよう学長に要求する。安全な学びの場を求める学生のためにキャンパスを取り戻そう。」と述べバイデン氏の弱腰な対応が混乱を招いたと批判した。中林さんは「反イスラエルの若者票がトランプ氏に流れることはないが、その若年層が選挙を棄権する可能性はある。その結果トランプ氏が有利になることはある。」とみている、などと伝えた。