米国・トランプ大統領の就任式は議事堂の中で行われたが、その日の米国・ワシントンDCは熱狂と静けさという全く異なる2つの表情を見せていた。会場の周辺では、熱狂するトランプ支持者があふれていたが、少し離れると街は閑散としていた。8年前の1期目の就任式のときには、反対派のデモで街は騒然となった。それとの対比でこの静けさは際立っている。この静けさは、就任式の日だけではない。DEIの廃止や恩赦といった強烈な反発が出てもおかしくない施策がたいした抵抗もなく進められている。刑務所の前でも目立っていたのは極右団体のメンバーばかりで、反対の声を上げる人はほとんどいなかった。今回の取材を通して、米国社会でも萎縮の空気が広がっていることを感じた。