iPS細胞から作られた心筋細胞シートは重症の心不全患者の心臓に使用することが想定されていて、治療法が確立できればドナーが見つからない事によって手術が出来ないなどの課題も解決される。手術では胸の横を切ってから心筋細胞シートを心臓の左心室に3枚張り、そこから様々な因子が出てくることで心臓に新しい血管が構築されて症状の改善につながるという。心筋細胞シートには1枚あたり3000万個の心筋細胞が入っていて、細胞同士が近づくと同じ動きをするようになり、最終的に電気信号が一番強いペースメーカー細胞によって全ての心筋細胞が1つの動きをするようになっている。心筋細胞シートを巡っては今年4月に厚労省に製造・販売の承認申請が行われ、承認されれば来年春頃にはiPS細胞を使用した世界初の治療法がスタートすることになる。また今回の万博ではこの心筋細胞シート以外にもパソナ館でiPS細胞で作ったミニ心臓をブラック・ジャックと鉄腕アトムが案内するブースなどもある。この他スタジオで心臓が1日に収縮する回数が10万回であることなどを紹介した。