大阪・西成区の下町にあるオーエス劇場は1700円で3時間の舞台をたっぷり鑑賞できる。劇団員にとってもここは特別な場所だという。長年愛されてきたオーエス劇場だが観客数の減少で今存続の危機にある。32年前の映像では連日の大入りだったが娯楽の多様化とコロナ禍を機に足を運ぶ人が減っていった。社長の岸本真藤さんは経営が厳しくなる中でも劇場を守りたい理由があった。夫の岸本正人さんは今年2月に病気で亡くなったが、劇場を父親から受け継ぎ大衆演劇専用に変えた正人さんは入院中、自分が戻るまで何とか頑張ってと話していた。岸本さんに手を差し伸べたのは地域活性化のサークル活動を行う桃山学院大学の学生たち。大衆演劇は平成生まれの若者たちにとって初めての世界だった。学生たちが力を入れた一つがインバウンドの集客で、公演の案内をするため英語版のチラシを作り劇場近くの宿泊施設を訪問している。さらに大衆演劇ファンの裾野を開拓するためショッピングモールでの出前ショーも企画した。若者たちはオーエス劇場と変わりゆく自分達の故郷を重ねていた。桃山学院大学の木田隼翔さんは、お客さんの顔を眺めた時に笑顔を見れたのが一番嬉しかった、劇場は昔から続く誰かの拠り所で守っていかないといけない場所なんだと感じていると話した。
