8日、業績が発表される前から市場ではサムスン電子危機説がささやかれていた。一時世界最高レベルの半導体メーカーの一つと言われていたサムスン電子がなぜ危機に直面しているのかリポートで伝える。サムスン電子の業績不振はスマートフォンやパソコンの需要低迷が主な原因とされている。メモリ半導体のディーラムの需要の約4割を占めるスマートフォンやパソコンの需要が伸び悩み、最近はディーラムの価格も約10%下落したため。サムスン電子の主力商品といえるディーラムの需要回復は当分見込みがたいことから、サムスンの将来も明るくない。一方AI=人工知能やサーバー用の半導体の需要は堅調だが、サムスンはこの分野で成果を出せずにいる。サムスン電子は次世代の半導体と言われるHBMの事業化が遅れて、多くの取引が見込まれるエヌビディアの品質テストをパスしていない。エコノミストは、半導体の冬が始まったのではなく、競争力が低下しているサムスン電子の冬だというのが問題だとしている。10月末の業績発表では、HBMの主導権を握るSKハイニックスがサムスン電子の業績を上回るだろうという予測もある。