ある世論調査によると、前回の大統領選挙でルーラ大統領に投票した人のほとんどは、「最高裁の決定を支持」と回答した一方、ボルソナロ前大統領に投票した人のほとんどが最高裁の決定に「反対」と回答したという。こうした政治的な分断が際立ったのが前回の大統領選挙のあとに起きた事件。去年1月、ボルソナロ前大統領の支持者たちが連邦議会や大統領府などを相次いで襲撃。施設の一部を破壊した。この襲撃事件でブラジルの最高裁判所はクーデター未遂などの罪でこれまでに、200人以上に有罪判決を出している。またボルソナロ前大統領が事件に関与したかどうかについての捜査も行われている。事件に関する捜査や判決を巡ってボルソナロ派の議員とルーラ派の議員の対立が続いている。ボルソナロ前大統領が所属する政党などは有罪判決を受けた人たちの恩赦や最高裁判事の弾劾を求めている。一方、ルーラ大統領が所属する政党の議員は事件に関わった人々への処罰は当然だと主張している。ブラジルの政治情勢に詳しい研究者は政治的な分断の解消の兆しは見えないとしている。
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