真山が訪れたのは東京・渋谷にある研究所。本日の開拓者がZEROCO社長の楠本修二郎。楠本は国内外に80店舗を展開する「カフェ・カンパニー」の創業者だ。20年以上に渡って日本にカフェ文化を根付かせてきた。楠本が今挑んでいるのはこれまでになかった食品の”鮮度保持”技術。白菜は半年、梨は1年保存できるという。ZEROCO最大の特徴は温度・湿度の徹底管理。氷点下に冷やす従来の冷凍では、食品に含まれる水分が氷の結晶になる。水は凍ると膨張するため、冷凍の過程で細胞に傷をつけてしまう。一方ZEROCOは食品の表面から中心まで0℃に冷やす。凍らないギリギリの温度を維持することで細胞を傷つけないという。さらに、湿度を100%近くに保つことで食品の酸化を防止し、新鮮なまま長期保存が可能になった。これまで湿度0℃・高湿度の環境を作ろうとすると結露が発生し、凍結とカビの発生原因になっていた。ZEROCOはその環境で結露が発生しない特殊な環境を作り出すことに成功した。詳細は企業秘密だという。ZEROCOの導入を見据え、大手食品メーカーなど約10社が検証実験を行っている。