NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
さいたま市南区にあるタクシー会社。車庫の隣にあるプレハブで「きくらげ」を栽培している。栽培を始めて5年。今では年間約10トン、約1000万円の売り上げがある。タクシー会社常務・清水雄一郎さんのタクシー会社は創業から54年。地域に根差して地元の人たちの生活を支えてきた。しかし、5年前の新型コロナの流行で危機が訪れる。月に500万円の赤字が出ることもあり、倒産の危機に立たされた。追い込まれた清水さんは乗務員たちと収益を上げるためのアイデアを出し合った。インターネットで栽培キットを購入し、会社のシャワー室で栽培してみると、3週間ほどで食べられるほどに成長。生のきくらげの美味しさを知り、事業化を目指すことにした。当初は農業用ハウスで作っていたが、冬場の温度管理が難しく栽培期間は4月〜10月だけだった。そこで、2022年からはプレハブで育てることに。ソーラーヒーターを設置し、1年を通して栽培が可能になった。2023年からは空き家での栽培も開始。断熱材で光熱費を抑えて栽培できるようにした。こうして作ったきくらげは地元の青果店などに販路を拡大してきた。地域の学校給食にも採用されさまざまな調理法で提供されている。中でも清水さんおすすめの食べ方が湯通ししたものをポン酢やわさびしょうゆで食べるというもの。このきくらげ事業はいずれ会社の柱になる勢いで伸びているというが地域の公共交通を守るという信念は変わらない。清水さんは耕作放棄地を使って落花生の栽培も始めている。