国際報道 シリーズ 気候変動
現在は先進国全体で年間1000億ドル拠出、ただ途上国からはそれでも足りないとの声が上がっている。また今回のCOPで注目されているのが2025年以降の目標額を決められるかどうかで途上国は今の10倍となる年間1兆ドル必要としている。
人口32万余のバヌアツ。主要産業は観光業と農業。これまで各国の資金援助を受けてきた。サイクロンが頻繁に上陸するバヌアツ。去年3月には2つのサイクロンが立て続けに上陸し、大きな被害を受けて人口の6割以上に影響が及び、被害総額はGDPの40%余に上るとされている。資金はどのように使われているのか現場を見てみるとJICAの援助で橋の改修工事が行われていた。橋を嵩上げし蛇行する川の流れを緩やかにするという。総工費は22億円余。費用は増加している。首都ポートビラの小学校では校舎や職員が使う施設に大きな被害。オーストラリアなどの支援で復旧工事が行われるも資金が足りず。屋根は吹き飛ばされたまま。1年半以上経った今も子どもたちはテントの中で授業を受けている。先進国全体で拠出する気候資金は年1000億ドル(15兆円)、ただ途上国からは影響は深刻だとして更なる支援を求める声があがり特に人的資金が少なく規模の小さい島しょ国に十分な資金が回らない現状。ペレ島では50人ほど暮らす集落で、高潮の被害で墓が海に流されてしまったという。バヌアツでは国連機関などと集落移転が必要な場合の対応を検討し始めている。検討の費用だけで2030年までに約1億円、実際に移転する場合さらに膨らむ見込み。気候変動特使・ラルフ・レゲンバヌさんは先進国の姿勢に憤りを感じているという。