NHKニュース7 (ニュース)
厚生労働省がカスハラ(カスタマーハラスメント)の対策を企業に義務づける方針案を示した。高速道路の管理などを行う首都高速道路では自分の主張を長時間続ける人や、暴言を吐く人もいて、電話を受けるオペレーターの中には、精神的な苦痛を感じる人もいたという。去年、会社が独自に作ったのが「切電マニュアル」。30分以上同じ主張が続く場合や、要求の内容が不当である場合などは、相手に理由を伝えたうえで、電話を切ることにした。ただ、こうした企業側の対策は進んでいない現状もある。厚生労働省が、全国の企業を対象に行った調査では「カスハラに対する取り組みを行っていない」と回答した企業が55.8%に上った。厚生労働省の新たな方針案。カスハラについて、顧客や取り引き先などの利害関係者が行うなどといった3つの要素をいずれも満たすものと定義したうえで、企業が講じるべき措置として、労働者からの相談に応じて、適切に対応するための体制の整備などを挙げている。厚生労働省は、年内にも正式に取りまとめることにしている。専門家は、業種や業態ごとに対策マニュアルを作るなど、具体的な対策が必要だと指摘する。