ニュースウオッチ9 (ニュース)
与党税制改正大綱の決定を前に、所得税の控除額について、さらなる引き上げを主張している国民民主党・玉木代表は「123万円では全く足りない。そのままいくなら来年度の予算案には賛成できない」と述べた。自民党、公明党の政務調査会長が会談し、両党の税制調査会の幹部も同席して、与党税制改正大綱を正式に決定。大綱では、最大の焦点だった年収103万円の壁を見直し、所得税の控除額を20万円引き上げて123万円にするとしている。20万円の引き上げは、基礎控除と給与所得控除、それぞれ10万円ずつ行い、年末調整で対応する形で、来年から実施する。一方、控除額のさらなる引き上げを主張する国民民主党に配慮するため、先に3党の幹事長で合意した「178万円を目指して来年から引き上げる」などの文言に加え、「自民、公明両党として引き続き、真摯に協議を行っていく」という文言を盛り込んだ。大綱の決定を受けて、自民党・宮沢税制調査会長は「国民民主党とは最終的な合意に至らなかった」と述べ、年収103万円の壁の見直しに関連して「全体で6000億円〜7000億円の減収になる」という見通しも示した。
控除額を123万円に引き上げた場合、年収ごとの減税はどうなるのか。民間の試算によると、社会保険に加入し、配偶者控除が適用されない1人暮らしの働く人などの場合、例えば年収500万円と600万円の場合は年間1万円、年収800万円と1000万円の場合は年間2万円の減税になると見込まれている。自民党、公明党と国民民主党の幹事長が会談。この中で、控除額について、178万円を目指すなどとした先の合意内容の実現に向け、「引き続き関係者間で誠実に協議を進める」とした新たな確認書を交わした。自民党・森山幹事長は「再度確認して、引き続き協議していこうと」、国民民主党・榛葉幹事長は「(与党側は)さらに178(万円)に近づいた数字を出す覚悟があるということだろう」と語った。こうした動きについて、立憲民主党・野田代表は「“103万円の壁”をこえていこうという方向性は理解しているつもりだが、どこまでいくのか動きを注視していきたい」と語った。自民、公明両党と国民民主党は、来週24日に政務調査会長と税制調査会長が会談し、控除額の取り扱いについて協議を継続するとしている。