NHKニュース7 (ニュース)
トランプ大統領とゼレンスキー大統領の対立が深まったことで停戦に向けた交渉への影響は避けられないと見られるうえ、アメリカ国内では支援疲れが今まで以上に目立つようになってきている。ランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談の翌日に取材に応じた、ウクライナ系アメリカ人のユージーンルチウさん。失望をあらわにした。ルチウさんは他のウクライナ系アメリカ人のメンバーとともに、ウクライナへの支援継続が不可欠な現状をアメリカ議会の議員たちに訴えてきた。先月は首都ワシントンを訪れ、支援をトランプ政権が継続するよう共和党と民主党の議員への働きかけを行った。ただ、アメリカでは支援疲れが今まで以上に目立つようになってきている。ウクライナへの支援を続ける団体。ウクライナ市民や兵士たちを支えようと医療物資や衣類などをウクライナに送る活動を続けているが、今、支援の大幅な減少が課題となっている。去年の支援の規模は、前の年の5分の1に減少した。侵攻の長期化に伴って、アメリカ国内で早期の停戦を求める声が高まっていることを示す世論調査もある。アメリカの調査会社「ギャラップ」は、ロシアがウクライナから奪った領土を維持したとしてもできるだけ早く戦闘を終結させるべきか、たとえ戦闘が長期化したとしても領土を取り戻すためにウクライナを支援すべきかを、アメリカ国民を対象に尋ねている。早期の停戦を求める人の割合は年々上昇して、去年12月の調査では「早く戦闘を終結させるべき」が50%、「ウクライナを支援すべき」が48%と初めて逆転した。対立を深めることになったトランプ大統領とゼレンスキー大統領との会談。ルチウさんは“アメリカがウクライナへの支援を取りやめる事態も想定しなくてはならない”と懸念を示したうえで、“支援継続のために訴えを続けていきたい”と話している。