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千葉との県境近くにある都内の私立高校。2年生のクラスでどこから通学しているか聞いてみると、38人中都内からが24人、市川市・浦安市など千葉からは14人という結果に。実はいま、この住んでいる地域の違いにより高校授業料に差が生まれている。都内の24人は現在、都独自の支援により授業料は無料となる一方、千葉県の14人は支援の対象外。千葉県に補助はあるものの、所得制限があるため人によっては年間50万円近く差が生まれている。こうした中、少数与党の自民・公明と日本維新の会はきょうも高校無償化について協議。与党側は無償化を始めとする維新の主張を受け入れる代わりに、来年度予算案への賛成を取り付けたい考えで詰めの協議が続いている。住む地域によって生じる授業料の差について生徒たちに聞くと「同じ学校に通っているのに支援の差があるのは不平等で良くない」「(授業料が)かからないっていうだけで考えられるものの幅が広がるし、お金が(進路を)諦める理由にならないというのが良いと思う」などと話す。学校側はこうした支援の差による家計への負担が生徒の進路選択に影響するケースも多いという。国は現在、所得制限を設け公立・私立問わず約12万円を、私立については約28万円を上乗せして支援している。協議で与党側は約12万円を支援する所得制限を今年4月からなくし、私立の上乗せ分についても所得制限を来年4月からなくすことを提案。これにより公立は完全無償化となるが、維新側は私立の所得制限を今年4月からなくすことや支給額の引き上げを求め議論は平行線となっている。専門家は無償化について「意義がある」とする一方、「公立と私立の競争が生まれることで教育の質が向上する」との意見については「(公立高校は)独自財源を持つことはできませんから、いくら教育の質を上げたいと思ってもできることは限られる。公立高校の授業の組み立てや様々なお金の使い方や人材の使い方を例えば私立並に自由化するとか、そうすれば同じような条件で本当の意味での公平な競争になると思う」と指摘する。予算成立のためには野党の賛成が不可欠となる中、高校無償化をより良い教育の実現につなげることはできるのか。