キャラビズジャーナル (ゲゲゲの鬼太郎)
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に関わった東映アニメーション顧問の清水慎治さん(72歳)&イベント事業部・プロデューサー高見暁さん(47歳)に話を聞いた。アニメシリーズはこれまで1~6期まで放送。高見は6期のプロデューサー。清水は3期は編集、4期はプロデューサー、5期は部長、6期は役員だった。「鬼太郎」は紙芝居から始まり、貸本漫画になり、講談社「少年マガジン」で「墓場鬼太郎」として連載がスタート。アニメ化の際「墓場」のイメージが良くないと「ゲゲゲの鬼太郎」に変更された。アニメは1960年代から2020年代まで各年代ごとに放送。第1期は1968~69(昭和43~44)年にモノクロで放送。モノクロ独特の怖さがあったという。鬼太郎役の野沢雅子が叫び声をあげるくらい怖かったらしい。原作をベースに当時の社会を反映した回もあった。第2期は1971~72(昭和46~47)年に放送。シリーズの中で唯一前作の世界観を引き継ぎ、原作の話はここで終了した。スタッフはほとんど戦前生まれで戦争を題材にするなど自由な発送によるストーリーもあった。第3期は1985~88(昭和60~63)年に放送。瞬間視聴率が30%を超える回もあった。新キャラクターを登場させ鬼太郎が戦うオリジナルストーリー。第4期は1996~98(平成8~10)年に放送。時代背景もあり1期・2期のような暗い雰囲気。戦うのではなく妖怪たちをいさめるストーリーだった。第5期は2007~09(平成19~21)年に放送。3期のように妖怪たちと戦うカッコいい鬼太郎が描かれた。第6期は2018~20(平成30~令和2)年に放送。時代に合わせ人間も妖怪も多様性を重んじるようになった。原作者・水木しげるさんが変わることに寛容だったので時代ごとに変化できたという。妖怪というはっきりしない存在が柔軟に変化できる要因の1つなのかもしれない。「妖怪」という言葉が理解されづらく、海外展開はそれほどなかった。