モーサテ プロの眼
オールニッポン・アセットマネジメントの森田長太郎さんの解説。森田さんは「トランプ政権の発足からおよそ1ヶ月で、具体策の見極めに入っている状況です。経済政策の方向感は、比較的はっきりしてきいて、成長より分配を重視する考え方が強くなってきているのではないでしょうか。全体としては新自由主義的な政策を少し軌道修正しようという大きな流れがあると思う。日本の場合、分配政策の議論が主流になっていますが、アメリカに関しては、コロナを挟んでも成長の一番ベースにある労働生産性はかなり伸びています。他の日本やヨーロッパというのは、あんまりパッとしない状況が続いていて、格差広がっていますが、アメリカの生産性はなぜ伸びているのか。コロナの時にアメリカは失業がものすごく増えましたが、これは悪いことだともなかなか言い切れないのは、失業が一時的に増えたことで労働の最適配分がこの後なされたのではないかという議論もあり、これがまた生産性を上げているという見方も非常に有力視されます。日本は失業率があまり上がらなかったのが良かった反面、アメリカのような経済のダイナミズムを生まなかった面も実はあり、そう考えると日本の政策をこのまま分配重視、反新自由主義的でやっていけばそれでいいのかという、ちょっと別の課題が残っているとは言えると思います。日本は格差が広がっているからこそ、成長・分配を両方工夫をして達成しないといけないので、重視していかないといけないことですね。そう考えると、日本の課題はアメリカより重いと言えるかもしれません」などと話した。