ワールドビジネスサテライト (ニュース)
中国の外食産業は値下げ競争が激しくなり、デフレの波が押し寄せている。おととい、東京・代々木公園で開かれたチャイナフェスティバルにはEVメーカーのBYDや本場の中華料理を提供する企業など140を超えるブースが出展した。麻六記は激辛麺などが人気で中国国内で現在40店舗を展開している。近々300店舗まで増やす計画。日本などアジアを中心に欧米でも展開する台湾発の老舗チェーン「ディンタイフォン」は中国本土にある31店舗のうち、北京など14店舗を10月末までに一斉に閉店すると発表した。看板メニューの小籠包は10個でおよそ1200円。決して安くはないがプチぜいたくな価格帯として富裕層から中間層にかけて人気を博してきた。中国ローカルの人気店では同じようなメニューをおよそ3分の1の価格で提供。きょう発表された中国の8月の消費者物価指数は前の年に比べてプラス0.6%。変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数はプラス0.3%と小幅な伸びにとどまり、消費者の節約志向の高まりからデフレ懸念がくすぶっている。上海市などで6店舗を運営していた日本のハンバーガーチェーン、モスバーガーも中国本土の事業から撤退。中国に進出する日本企業1760社が回答したアンケートでは価格競争が激しく採算性が見えないとの意見が多く「中国景気が悪化する」との回答は6割に達した。個人消費の低迷を背景に撤退や縮小が相次ぐ中国市場。