サタデーウオッチ9 (ニュース)
今回異例の事態となった首脳会談。アメリカとウクライナではどう受け止められているのか。ワシントンから中継。アメリカの主要メディアも「大統領執務室で外国の指導者にあれほど激怒した大統領はいない」「ウクライナを見捨てると脅す」などと衝撃をもって伝えている。与党・共和党からはトランプ大統領を支持する声が上がっており、今後トランプ政権がウクライナへの軍事支援の大幅な縮小や停止に踏み切ることも排除できない。さらにウクライナでの大統領選挙の実施を求める動きを強めていくことも想定される。一方でロシアとは接近が進む可能性も指摘されている。ただ今回の怒り、早期の停戦の実現という思惑どおりには進んでいないことへの不満の表れでもあり、会談の決裂はトランプ政権としても打撃だという受け止めもある。トランプ大統領は会談のあと「和平の準備ができてから戻ってきたらいい」とSNSに投稿しており、突き放しながらも将来的な会談は否定していない。ウクライナ側の出方を見極めながら今後の対応を決めていくものと見られる。
キーウから中継。口論をめぐってウクライナのメディアは会談はトランプ大統領らによる意図的な挑発を通じて支援に消極的な姿勢を示すショー的な要素が強かったとも伝えている。ウクライナ政府からはトランプ政権を表立って批判するような反応はない。ただ、イエルマク大統領府長官がウクライナが単なる地図上の点ではないと理解してくれる人たちに対して感謝したいとした発言に注目をした。超大国アメリカから屈辱的な扱いを受けたという怒りの裏返しの表現に映る。ゼレンスキー大統領はアメリカとの関係を重視する姿勢は変えない一方で、支持を表明しているヨーロッパとの関係に一層、重点を置くとみられる。今回の会談がウクライナ外交の転換点となるのか、そして停戦に向けた動きにどう影響を与えるのか注視をしたいと思う。