首都圏ネットワーク NHK×NAMBU LINE
南武線ウィーク3日目、きょうのテーマはずばり電車。武蔵中原駅と武蔵新城駅の間にある南武線の車両基地からNHKきっての電車通、後藤記者が中継。この一角に日本でここにしかない次世代車両が今、留め置かれている。水素で発電しながら走る国内初の電車「HYBARI」。走行中は二酸化炭素を出さない試験車両。JR東日本が自動車メーカーや電機メーカーと連携して開発したこの電車だが、2030年度の実用化を目指している。この列車には普通の電車なら付いている電線から電気を取るパンタグラフが付いていない。そのかわりに動力源となるのがこの上に付いているタンク、この中にある水素なのだ。燃料電池に水素を取り込んで空気中の酸素と反応させて発電する。このとき排出されるのが二酸化炭素ではなく水。おととしの春から南武線の一部区間や鶴見線で乗客を乗せない形で試験運行してきた。時速はおよそ100キロまで出すことができる。7年前のこの事業の構想立ち上げ段階から開発に関わっているJR東日本の村山健はこの列車の課題について「長い航続距離を実現することや水素のコストが高いために水素供給を受けるためのサプライチェーン、こちらをどのように確保するかこのような課題のほうが、これを少しずつクリアして実用化目指す」と話していた。車内は普通の電車と同じようだが、カーテンがあり、自然をイメージした山と川をクッションのデザインにあしらっている。車両の奥のモニターには水素タンクから水素、燃料電池、送られて発電する様子が表示されている。村山は「当社としてはお客様にご乗車いただく営業運転の開始、こちらのほう、2030年というところで目指していきたいと考えている。また二酸化炭素を出さないクリーンエネルギーである水素の可能性を引き出しながら地球に優しい社会を実現していきたいと考えている」とコメントした。