NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
関西には国に指定された国宝や重要文化財が多く残されているが、過疎化が進む地域の寺などでは、その維持が困難なケースも出てきている。こうした事態を打開しようと、京都府では寺巡りで文化財を守ろうという取り組みが行われている。京都府福知山市の観音寺で、貴重な文化財を見て回るツアーが開催された。目当ては、昨年6月、国の重要文化財に指定された炎髪不動明王立像。今回、特別に拝観が許された。京都府北部の10か所の寺が持つ文化財を、半年にわたって訪ねるツアー。初日には、各地の寺の住職たちも集まった。代表の観音寺住職・小籔実英さん。檀家や参拝客が減り、管理が難しくなっている文化財を守りたいと、この十箇寺巡りを企画した。十箇寺巡りを作るきっかけは、炎髪不動明王立像が重要文化財に指定されたことだった。江戸時代のものだといわれてきたが、平安時代前期の仏像だと明らかになった。しかし至る所が虫に食われ、修理にはおよそ500万円かかる。そこで、京都府北部の寺に声をかけると10の寺から賛同を得ることができた。各寺が持つ重要文化財の限定ポストカードを作り、御朱印の特典として参拝客に渡すことで、少しずつ寄付を集めたいと考えている。十箇寺巡りは次回は7月に開催される予定だという。