列島ニュース もういちど、日本
京都・嵐山にある渡月橋を渡る時”あること”をしてはいけないという不思議な習わしがある。それは渡月橋から見える法輪寺に伝えられていた。「十三まいり」は平安から続く子どもの旅立ちを祝う儀式。虚空蔵菩薩に知恵を授けてもらう。しかし橋の途中で振り返るとせっかくの知恵が台無しになる。「十三まいり」は春の訪れとともに行われる。小学校を卒業したばかりの森西美月さん。行事は願いを込めて漢字一字を奉納する事から始まる。美月さんが書いたのは「挑」。実は美月さんの祖母も母親も渡月橋を渡って大人になった。親子代々引き継がれていく特別な儀式。古来女性の13歳は元服の年で「大人になる」と覚悟を決めた。前だけを見つめ、渡月橋へ。橋を渡り切るまで500メートルの道のり。慣れない晴れ着で身体もこわばり気味。何があっても一歩ずつ進んでいく美月さん。そして橋をわたりきり「後ろを振り向かずってすごく大変だなって思った。これで知恵を授かれます」と言った。春の「十三まいり」は今年も3月13日~5月13日まで行われる。