モーサテ プロの眼
中島さんが「フランスの国民議会選挙がもたらす混乱」をテーマにスタジオ解説。今回の国民議会選挙では、マクロン大統領の与党連合が左派連合と選挙協力して、極右国民連合の政権成立を阻止。選挙協力したマクロンの与党と左派連合である新人民戦線をみると市場経済、EU協調推進という点では大枠一致だが年金受給年齢や自由貿易協定の破棄は対立。マクロン与党自体も右派、左派一緒になっているので、相当分派的な動きが出て状況が見えない。マクロン大統領に残された時間というのはそんなにない。一方国民の3分の1が国民連合を指示したことについても注目すべきで、2000年以降ドイツをのぞく主要先進国の製造業の労働人口が大きく減少していることから、減少度合いが大きい英国は移民流入や統合を嫌ってEUを離脱、米国は保護的な政策を推進する当時のトランプ大統領が米中貿易摩擦を拡大させた。先進国では中国などの新興国の台頭や工業化で雇用と製造業が大きく圧迫されている。それに応じて国民の保護主義的な考えが広まっている。先進国としてはむしろ産業の高度化や差別化を図っていくのが大事でサービスへのシフトが必要で、教育の高度化や知的財産への投資、こういうものを促進してイノベーションを起こしていくというのが先進国として差別化の大きな方向として頑張らないといけないことだなどとした。