繁盛店の経営ノート 株式会社ドン・キホーテ 鈴木康介 次期社長
繁盛のキーワード2冊目は「仕掛け方ひとつで欲しいが生まれる」。ノートンが「MEGAドン・キホーテ立川店」を取材。ドン・キホーテ本社SNSチームの撮影スタジオがあり、新作シャワーヘッドのTikTokを撮影していた。SNS動画を1ヵ月に約20本投稿しているという。TikTokはプライベートブランドの新商品を紹介、Instagramは20代女性をターゲットにドンキで扱う様々な商品を紹介、Xは告知やキャンペーンのお知らせと使い分けている。企画から撮影まで全て社員で行う。「秒でどこでもTKG!?卵かけ風ご飯のたれ」はSNSでバズって売上が1500%になったという。鈴木さんは「現場に権限を与えている」のがポイントだと語った。入社して1ヵ月の社員でも仕入れ権限を持つので、客が本当に求めているものがわかるという。「LEDミラー付き9L冷温庫」はドンキのキャラクター「ドンペン」と動画でコラボ。「大粒みかん(みかんジュース入り)2号缶」はSNSで人気な謝罪文風で商品をPRした。ドンキの投稿は消費者の二次投稿によって拡散される。こうした二次投稿はUGC(ユーザー生成コンテンツ)と呼ばれ、企業ではなく一般ユーザーによって制作・発信されたコンテンツとして、消費者のリアルな声として信頼されやすい。客の流行りをキャッチしてドンキの中で増加中なのが「プロテイン自動販売機」。プロテインを1杯100円で購入できる。プロテインは単価が高く、どれを買って良いか分からないという客のニーズを捉えた。少額の料金を支払ってサービスを試す仕組みは「テストマーケティング」と呼ばれ、「本気度の高い」ユーザーを獲得できる狙いがある。プロテインの売上は2倍になったという。