NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
台湾ではきょう、民進党の頼清徳氏が新しい総統に就任する。就任演説では、中国との関係について台湾の現状維持を強調し、対等な交流や対話を呼びかけると見られ、その内容が注目される。民進党の頼清徳氏は昨夜、海外の来賓を歓迎するレセプションに姿を現し、台湾への支持、支援を呼びかけた。台湾ではことし1月の総統選挙で2期8年務めた蔡英文総統の後継として頼氏が当選し、中国と距離を置く民進党が初めて3期連続で政権を担うことになった。頼氏はきょう午前、総統府で就任の宣誓をして、その後演説を行う。日本からは超党派の国会議員で作る日華議員懇談会のメンバーおよそ30人が出席する予定。政府関係者の派遣については日本政府は外交関係がないことからこれまでと同様に見送ることにしている。きょうの就任演説の焦点は中国との関係である。頼氏は当選後の記者会見で台湾の現状維持を強調するとともに対等と尊厳を前提とし、対抗に代えて対話を行い、自信を持って中国との交流と協力を進めると述べていて、きょうの演説もこれが基調になると見られる。
一方、台湾は自国の一部だと主張する中国は頼氏のことを台湾独立派として警戒している。先週には「平和と発展、挑発と対立のどちらの道を歩むのか、台湾地区の新しい指導者は明確に答えなければならない」と頼氏をけん制した。台湾地区の新しい指導者は明確に答えなければならないと演説の内容によっては台湾に対する圧力をさらに強める構えで頼氏が具体的にどう言及するか注目される。