NHKニュース おはよう日本 (ニュース)
ASEAN(東南アジア諸国連合)の拡大国防相会議に出席するため、ラオスを訪問中の中谷大臣はきのう中国の董軍国防相と個別に会談した。この中で中谷大臣はことし8月の中国軍機による日本領空への侵犯に重ねて抗議し、再発防止を求めるとともに中国の軍事活動の活発化などに深刻な懸念を伝えた。両氏は先の日中首脳会談で建設的で安定的な関係を構築していく方向性を確認したことを踏まえ、安全保障上の懸案があるからこそ防衛当局間の意思疎通が重要だとして、2019年以来途絶えている部隊間交流の再開に向けて対話を進めていくことで一致した。また、中谷大臣は米国、オーストラリア、韓国、それに中国との領有権問題を抱えるフィリピンの防衛担当閣僚との会談にも臨み、国際法と各国の主権を尊重する重要性を共有し、自由で開かれた安全なインド太平洋の実現に向けて防衛協力を強化していくことを申し合わせた。一方、中国国防省の報道官は、ASEANの拡大国防相会議に合わせて米国との国防相会談が実現しなかったことについて、台湾をめぐる米国の対応が原因だとして、“責任は完全に米国側にある”と非難した。