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日本経済新聞・梶原誠氏は株式市場をめぐり、株式投資が危険行為と評される空気感が貯蓄から投資の好循環を実現しない要因となってしまっていると指摘している。政府は2000兆円を超える家計の金融資産を投資に移してもらうことを推進し、家計も配当を受け取ることで豊かになると呼びかけてきたが、これは1947年の証券民主化運動が始まりとなっている。戦前は財閥が保有していた株を国民が持ってもらうことで共に反映することを目指すものだったが、1950年には旭硝子(現AGC)の株をめぐり全国の証券会社が売りと買いに別れて競い始めたことで混乱が発生した。1996年には橋本内閣が日本版ビッグバンという金融制度改革に着手したが、これも1997年に総会屋へ大手銀行などが利益供与したことなどが問題視されるばかりであった。1970年には個人日本株保有比率は38%となっていたものの、現在は17%前後まで落ち込んでいる。今週公表されたデータでは株主が100万人を超える企業はNTTの256万人など4社、50万人以上の企業は18社ありのべ1513万人に上っている。大企業は責任も重い企業となるが、株主総会を活性化することも重要と見られる。株主92万人のイオンはウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイを研究する様子が見られる。しかし、現在も証券詐欺や当局によるインサイダー取引や口座乗っ取り事件だけでなくオルツの不正会計問題など課題が山積してしまっている。