Nスタ (ニュース)
今日迎えた春闘の集中回答日。今年も大企業を中心に去年を上回る回答が相次いだ。日立製作所は去年より4000円高い月額1万7000円アップの要求に満額回答で、過去最高の水準。またトヨタ自動車や川崎重工なども満額回答だったほか、素材メーカーの三菱ケミカルは組合要求を上回る満額超えの回答だった。ただ労働団体からは手放しでは喜べないという声も。焦点となるのは中小企業の賃上げ。自動車や建築に使う金属部品に亜鉛のメッキ加工を施す工場では、去年に続いて今年も55人の従業員を対象に3〜8%の賃上げを予定している。「2年連続の賃上げで問題なし」と言いたいところだが、生産コストの高騰や、価格転嫁の不安など、悩みは絶えないという。例えばメッキ加工で月に300万円以上かかる電気代は、補助金の終了などで来月以降150万円も値上がりする見込み。更に原料の亜鉛や薬品も円安などで軒並み高騰。数百ある取引先と交渉をするため、理由を示した文書を作ったものの「2年連続の値上げを受け入れてもらえるか自信がない」と話す。賃上げの鍵となる価格転嫁を進めるために何が必要か。実質賃金のマイナス基調が続く中、働く人全体の賃金を引き上げ、消費マインドを改善できるのか。春闘は景気浮揚にもつながる天王山を迎えている。