春闘スタート 中小企業や非正規社員も大幅賃上げ定着を!

2025年1月27日放送 12:20 - 12:28 NHK総合
みみより!解説 (みみより!解説)

経団連が公表した春闘に臨む経営側の指針となる報告書。女性や高齢者を含む非正規の社員について、意欲と能力のある人材を積極的に正社員に登用すること。非正規で働き続ける場合も、正社員と同じような研修で能力を引き上げて、高い職務、役割を担ってもらうことでふさわしい賃金を処遇することを求めている。連合は去年の賃上げの実績5.1%に対し、今年は5%以上。賃金水準の低い中小企業については6%以上要求する方針。今のところ民間のエコノミスト35人の見通しの平均は、主な企業について4.74%の賃上げになるとの見方が出ている。大企業の間では、中国経済の低迷、米国・トランプ大統領の政策への不安感が広がっている。全体としては、今年度も過去最高益を上げる勢いだが、勢いは去年より弱まっている。それでもこのところ、経営側から大幅な賃上げを検討する発言が相次いでいて、これよりも上振れるのではないかと見るエコノミストも出てきている。非正規の社員については、例えば、流通大手のイオンが全国およそ42万人のアルバイトやパート社員の時給を7%引き上げる方向で労使の協議を進めるなど、前向きな動きが出てきている。深刻な人手不足を背景に、早めに賃上げを表明することで少しでも優秀な人材を確保したいそういうねらいがある。
中小企業の春闘は3月以降本格化するが、エコノミストの間からは去年の中小企業の実績4.45%に対して、3.9%程度の賃上げとの予測。中小企業を取り巻く環境は、金利、さまざまなコストが上がり厳しい。日本商工会議所の調査では、すでに50%近い中小企業が賃上げを予定していると答えているが、そのうち67.2%が業績の改善は見られないけれども賃上げをすると答えている。人手不足による倒産は去年1年間で342件。前年より30%余り増えて過去最悪。人を雇って辞めないでもらうためには、無理してでも賃上げをせざるをえない。賃金を上げ続けるには、中小企業でも稼ぐ力を上げていくことが欠かせない。経団連は報告書で、大企業の責任として取引先の中小企業のコストが増えた分、転嫁してもらいにくいという賃上げ分を含めて適正な転嫁を受け入れるよう全社で取り組む。例えば、地域の中小企業が同業者などと連携して共同で食材や原材料を購入するシステムを導入する。あるいは、デジタル技術を導入するといったように、稼ぐ力をつける取り組みを国、自治体、経済団体、大学などが地域で連携して支援していくこと。さらには消費者向けの商品、サービスについても適正な価格転嫁、値上げについて理解を求めていく。値上げが受け入れられる社会にしていくには、やはり賃上げを広げることが大事。そのためには、大企業では今、新入社員を確保するため、また、転職を防ぐため若手中心の賃上げになっているのを、中高年層への配分にも力を入れていく。また弱い立場の中小企業や女性、非正規を含めた公務員、介護士、保育士など国や自治体が処遇に関与する職業でも毎年、賃上げをしていく。誰もが安心して老後を暮らせるよう、年金の在り方を含め全体の底上げを考えていくことが欠かせない。一方、賃金を上げ続けていくには働く側の取り組みも大事。どうしたら、賃金を上げ続けられる職場にしていけるのか。今回の春闘の機会に労使で前向きな話し合いを進めてほしい。


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イオン日本経済団体連合会ドナルド・ジョン・トランプ日本商工会議所春季生活闘争ベースアップみずほリサーチ&テクノロジーズ十倉雅和

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