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気象庁は先週、気象災害の一因になってきた黒潮大蛇行が終息に向かいつつあると発表した。黒潮は本州の南岸に沿って流れる温かい海流。8年ほど前から本州の南に冷たい渦が居座り、黒潮がそれを避けるように迂回する黒潮大蛇行という現象が起きていた。東京湾では、黒潮大蛇行が起きてから、熱帯魚のクマノミが多く見られるようになったという。海水温の上昇は漁獲量にも影響し、静岡県ではシラスの不漁が続いている。県内7つの漁港で、今月11日までの水揚げ量は前年より約4割減少している。北海道産のサケの沿岸漁獲量は10年前と比べ半減。岩手県の久慈川漁業協同組合では、50年近くサケの人工孵化放流事業を行ってきたが、採卵のためのサケが採れず、収益が悪化し解散を余儀なくされた。東北大学・杉本准教授によると、黒潮大蛇行発生後、関東・東海地方では、8月の気温が平均0.6℃、最大2℃上昇。降水量が増え、台風やゲリラ豪雨による水害も増加した。4年前、静岡県熱海市で起きた土石流。このときの大雨も黒潮大蛇行が要因のひとつではないかと分析している。東京湾をよく知るダイバーによると、ことしになって冬場の水温が上がってこないといい、今までよりも4、5℃低いという。