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元選手村をマンション群に改修した晴海フラッグの新たな動きについて。先月、番組放送後、東京都はホームページに”ファクトシート”と名付けた新たな資料を公表した。晴海フラッグに関する東京都の見解が27ページにわたって展開されていた。ファクトシートのファクトは英語で事実という意味。注目したのは晴海フラッグが投資の舞台になってしまった大きな原因でもあるマンションの販売に制限を設けなかった理由について。公表されたファクトシートでは「マンションの販売方法は建物の所有権を有する民間事業者が決定するもの」というふうに記されていたが、先月、同じ内容について聞いたところ、「マンションを保有して販売する権利は民間事業者にあり、販売方法や価格について都市再開発法などにより、施行者である東京都は関与できない」と回答。販売方法や価格について法律などにより都は関与できないというくだりが今回のファクトシートからは消えている。法律上、行政が関与できないという主張は東京都が制限を設けなかった大きな根拠だったはず。先月、番組放送後、東京都から国の担当者に法律の解釈について問い合わせがあったという。国は法律上、施行者が販売に関与できないということまでは定められていないということを都の担当者に伝えたという。もう1つ疑問に感じたのは「都の要請で対策が強化され効果があった」ということが強調されていたことだった。ファクトシートの中には抽選で高倍率になったために都が施行者の立場から民間事業者に改善を要請したと、これを受けて民間事業者が対策強化を行って倍率が下がるなどの効果があったという内容がファクトシートの中に4回も登場している。実際に倍率は下がったということが確認されているが、全対策が整ったのは4分の3以上の販売終了後だったことだったり、法人などにより投資目的で大量の部屋が買われていたことについては一切触れられていない。重要なのは晴海フラッグが開発に巨額の公費が投じられた公有地に建てられていることや、分譲住宅はファミリー向けに整備するということが当初から掲げられていたこと。こうした方針と実態が矛盾していないのかということも含め、改めて東京都は自ら調査して事実を公表することが必要となってくる。