ニュースウオッチ9 (ニュース)
梅雨前線が停滞した影響で、東北地方は今週、大雨に。去年7月の秋田市は、街が川のようになっていた。川は氾濫。住宅被害は6000棟を超え、秋田市では戦後最悪となった。要因の1つが、内水氾濫。前日からの雨で、排水が追いつかなかった。消防への通報記録を紹介。雨のピークだった7月15日の通報は600件余。ふだんの半月分に当たる通報が一日に殺到し、すぐに対応できなかったケースもあった。消防に通報した1人、三好雅夫さんは突然、家に水が流れ込み、妻と共に慌てて2階に避難した。水は床上1m80cmほどに達した。三好さんは「命の危機を感じた」などと語った。消防には3回通報したが、救助されたのは、最初の通報から約15時間がたっていた。この地におよそ40年住んでいて、こうした被害は一度もなかったという。思いもよらないことだったと振り返った。東北で発生する大雨災害。「東北で発生した猛烈な雨の発生回数(1時間あたり80mm以上)は、統計開始以来、ほとんど観測されてこなかったが、近年、回数が増えている。専門家が指摘するのは海面水温。顕著な上昇が見られると指摘する。この100年で、海面水温は世界全体で平均0.61度上昇。大雨災害が多い九州は1度以上高くなっているが、東北の日本海側は1.94度も上昇したと見られている。専門家は「雨の多い九州と同様、大雨に警戒が必要な状況」と指摘する。東北大学変動海洋エコシステム高等研究所・須賀利雄所長は「(東北近海は世界の中でも)トップクラスの温度上昇を示している海域だと言っていい。海面水温が高いということは、大雨を降らせるポテンシャルが非常に高い状態。九州で起こっていること(大雨)が東北でも起こるような状態に近づいている」と述べた。秋田市は新たに内水氾濫が起きるおそれがある場所を地図にまとめた。想定しうる最も厳しい雨量を用いてリスクをあぶり出した。、排水能力を上げるための対策も進めている。去年の記録的大雨は、今後に備える教訓になっている。東北大学変動海洋エコシステム高等研究所・須賀利雄所長は「(これまでの災害対策の)ベースになっていた統計が通用しなくなっている。しっかり防災対策することが必要になる」などと述べた。秋田県では、今夜から再び雨が強まるおそれがある。厳重に警戒を。