有働Times (ニュース)
与那国島のガマは自然の洞窟、太平洋戦争中、島の人たちはこの場所に逃げ込む。奥行きは15mほど、多いときはここに50人ほどが避難したという。太平洋戦争末期、空襲は激しくなりガマがある集落も大半が焼け落ちる。ガマを管理する糸数さんは、自分の命が助かるなら活用はすると述べる。人口は約1700人。今、ガマの場所を確認する島民が増えているという。中国が台湾への軍事圧力を強めるなか、2016年、与那国島では陸上自衛他の駐屯地を開設。島の中央には沿岸監視隊の巨大レーダーも設置された。与那国島から台湾まではわずか110km。気象条件がよければ台湾を肉眼で見ることもできる。EEZは他の国に邪魔されず漁業、天然資源開発ができる海域。しかし3年前、中国軍による軍事演習で弾道ミサイル5発が日本のEEZ内に落下。まさにその日男性も漁に出ていたという。
台湾有事を念頭に日本政府は自衛隊の南西シフトを加速。佐賀駐屯地にオスプレイ、新田原基地に最新鋭のステルス戦闘機・F35Bが配備された。さらに与那国島では地対空ミサイル部隊の追加配備を計画。防衛省は島を守るための装備で反撃能力にはならないと説明しているが島民からは不安の声。台湾有事の際、与那国島はどうなるのか?アメリカの戦略国際問題研究所・マーク・カンシアン上級顧問は、紛争が起きた際には島の部隊が標的になる可能性は高いと指摘。2023年の台湾有事のシミュレーションでは中国の台湾進攻は多くの場合で失敗。一方で日米も多数の艦艇、航空機を失う。与那国島が戦場となるリスクが高まっている背景にはアメリカ軍の戦略変化もある。沖縄に海兵沿岸連帯を発足。その任務は離島に小規模な部隊を分散させることで敵の懐近くに入り込み、地対艦ミサイルなどで戦うという新たなもの。カンシアン氏は、米軍が駐留する場所はどこでも中国の攻撃の標的になり得る。島々はミサイル攻撃の応酬に巻き込まれる可能性がある。紛争前に避難することが最も安全と述べた。日本政府の避難計画では武力攻撃の前に、全島民約1700人を1日で島外避難させることになっている。島には万が一に備えた施設も出来る。新庁舎の地下にはシェルターが出来る。地下シェルターの収容人数は約200人。2週間過ごせる設備の予定。アンケート調査では島外避難指示が出た場合、避難を希望する人は45%、希望しないは47%。ガマに逃げ込み命をつないで大朝さんは、自分と同じような経験を誰にもしてほしくないと考えている。ガマを使ってほしくない、戦だけはやってほしくないなどと述べた。