首都圏情報 ネタドリ! 首都圏で相次ぐ“闇バイト強盗” 見えてきた「共通点」
8月以降に1都3県で発生した一連の強盗事件。8月末から9月3日まで被害が目立っていたのは貴金属販売店や質店など。その後、さいたま市の住宅が被害に遭った9月18日以降は個人宅への強盗が続く。そして、先月15日の横浜市青葉区の事件では70代の住民が暴行され、死亡。先月17日の千葉県市川市の事件では50代の住民が連れ去られ監禁された。これらの事件をつぶさに取材すると手口にいくつかの共通点が見えてきた。
先月、横浜市青葉区で起きた事件。現金20万円が奪われ住民の命も失われた。亡くなった男性は穏やかな人柄だったという。一連の事件では500万円以上の高額の被害がある一方で多くは数万円から20万円程度の被害。高額の現金があるかないかにかかわらず押し入られていた。手がかりを探るため番組は同じ時期に起きたある事件に注目した。被害に遭った千葉県鎌ケ谷市に住む男性。異変が起きたのは深夜2時ごろ。男性は寝ていたがまだ起きていた妻が物音に気付いた。使われたのは軒下に置いていたコンクリートブロック。およそ10分後に窓ガラスが割られ男が住宅に侵入してきた。男性が「誰かいるのか」と叫ぶと何も取らずに逃走。一連の事件でも住宅の被害は未明から明け方にかけて発生していた。そして、侵入の手口は窓や扉のガラスを割るケースが多いことが分かった。さらに金を奪うためには手段を選ばない強盗グループの姿も浮かび上がってきた。被害を受けた千葉県市川市に住む女性。夜、仕事で家を離れている間に3人組が自宅に侵入。部屋は荒らされ現金のほかキャッシュカードも奪われた。自宅の2階にいた娘は車で連れ去られ、埼玉県川越市内の宿泊施設に監禁された。3人組の目的は奪ったカードの暗証番号を聞き出すことだったとみられる。連れ去られてからおよそ19時間後、娘は警察に保護され命は助かった。一連の事件の大半で強盗グループは侵入した後住民を暴行。粘着テープで手足を拘束する、ハンマーで殴る、刃物で切りつけるなど危害を加えて金を奪おうとする凶悪性も見えてきた。
闇バイト強盗に狙われる戸建て住宅。どのような対策ができるのか警備会社で20年以上防犯対策の研究をしている濱田宏彰(セコムIS研究所研究員)に聞いた。主な侵入経路となった窓ガラスの強化が重要だという。比較的、手ごろな対策は窓ガラス全体に防犯フィルムを貼り付けること。さらに防犯効果を高めたい場合は特殊なフィルム4枚を重ね合わせた強化ガラスの設置。価格は一般的なガラスの4倍程度。一般的な厚さ3mmのガラスは1回で簡単に割れてしまう。一方の強化ガラスはひびは入るが2分間に60回以上たたいても完全には割れなかった。また、侵入が多かった夜間の時間帯の対策として人に反応するセンサーライトや踏むと大きな音がする防犯砂利。住人や周囲が異変に気付くのに有効だという。それでも侵入を許してしまった場合、まずは窓や勝手口から外に逃げること。できなければトイレや寝室など鍵のかかる場所に逃げること。警察に通報する時間を確保できる。それができずに対面する事態に陥ったら現金などをおとなしく渡す。抵抗しないことが大事だと指摘している。