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スシロー南砂店でお客さんが頬張っていたのは「厳選 天然本鮪大とろ」。スシローでは年に一度の別格まぐろ祭で希少な本鮪を提供。今、クロマグロが安くなる可能性が出てきている。その理由はきょうまで開かれた国際会議で日本が行ったある提案。天然のクロマグロは乱獲などで資源量が減ったため漁獲量が制限されているが、日本は今回、大型のクロマグロは2倍以上、小型は3割、漁獲枠を増やすことを提案。クロマグロの解体ショーが人気の飲食店で「もしクロマグロの漁獲枠が増えて値段もお手頃になったら?」と聞いてみるとお客さんからは「塊を買ってきてありえんくらい食べる」「価格が変わったら週3で食べたい」などの声。店側も値下げへの期待感を示しおさかな本舗たいこ茶屋の嵯峨完さんは「安く出せるのは喜びでもある」などと話した。
数が減っていた天然のクロマグロが今、変化が起きている。おととし、漁師が撮影した映像では海面にあがってきた約100キロのクロマグロを本来なら引き揚げるが、糸を切って逃がしていた。漁獲量の制限後、針を入れれば続々かかるほど増えているクロマグロだが、漁協に割り当てられた量を超えた水揚げはできず、逃さざるを得ない。千葉県沿岸小型漁船漁協・酒井光弘組合長は「日本全体の枠が増えてほしい。増えた枠を沿岸の都道府県に配分を余計にしてほしい」と話した。きょう、会議最終日にクロマグロの漁獲枠を拡大する案が各国の合意でまとまった。当初の提案より少ないものの、大型は1.5倍、小型は1割多く獲れるようになる案。きょう、漁業関係者からは「ありがたい」とした上で、「もっと増やしてほしかった」との本音も聞かれた。近畿大学・有路昌彦教授は望ましい方向だと評価した上で「価格は安くなるだろう」と話す。ただ、国内需要の減少や中国への輸出停止により市場が縮小傾向であるため、手放しでは喜べないと指摘。きょうまとまった案は11月から開かれる会議で勧告され、正式に決定される見通し。