58年…袴田 巌さん無罪確定 えん罪で奪われた人生

2024年10月13日放送 8:31 - 8:39 TBS
サンデーモーニング (ニュース)

死刑判決確定後に再審で無罪となった人はこれまでに4人いる。いずれも20年から30年以上死刑の恐怖におびえながら拘置所で過ごした。そこに今回袴田さんが加わった。袴田さんが逮捕されたのは30歳の時で、それから58年・88歳になってようやく無罪を勝ち取った。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは「世界で最も長く拘束された死刑囚」としている。静岡地裁は死刑判決のカギとなった重要な証拠を捜査機関によるねつ造と認定。事件発生から1年2か月後に現場近くのみそタンクから見つかった5点の衣類。注目は付着した血痕に残る赤み。判決は1年以上みそに漬けられた場合赤みは残らないと判断。捜査機関によって血痕をつけるなど加工されタンク内に隠されたものとした。衣類の中にあったこのズボンだが、警察はすそ直しをした残りの切れ端が袴田さんの実家から見つかったと主張。これを根拠に衣類は袴田さんのものだとしたが、この切れ端も捜査機関によって持ち込まれたと判断した。
今回の事件で改めて問われているのが「再審制度」の在り方。袴田さんは再審請求から再審開始まで実に42年間もかかった。その主な理由が証拠開示の制度がないこと。今の制度では、検察は有罪に有利となる証拠だけを裁判所に提出すれば良く、無罪につながる不利な証拠を出す必要はない。袴田事件でも再審請求の際、弁護団は裁判所に開示されなかった証拠を求めてきたが、検察は開示する法的根拠がないとしてそれを拒否。2回目の再審請求で裁判長が提出を強く勧告したことを受け2010年になってようやく開示された。その中に今回の無罪判決の決め手となった5点の衣類の鮮明なカラー写真が含まれていて再審の扉が開かれた。日弁連は再審法を改正し証拠開示のルール作りなどを求めている。袴田さんの姉・ひで子さんは「私は巌だけ助かれば良いとは思っておりません。再審法改正には大いに協力してまいりたい」と語っている。えん罪被害を少しでも減らす取り組みが求められている。元村氏は「検察側は検証してその結果を公表してほしい。また人間は間違うという前提に立ち、死刑制度など現行の制度を見直す必要があるのではないか」などと話した。


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