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「ユニコーン」とは、設立から10年以内で時価総額が10億ドル以上になったスタートアップ企業のことで、これからの経済成長に欠かせない存在とされている。世界のユニコーンの数:アメリカは687社、中国は161社、インドは68社、日本は8社。こうした状況を変えられるのか、スタートアップの現場を取材した。創業1年半、社員20人余りのスタートアップが開発したのが、生成AIを使った同時通訳システム。日本語から英語に変換するまでの時間は僅か0.5秒。会社によると、人の会話のキャッチボールは0.3秒の間を置いてやり取りされているということで、その間隔に限りなく近づけた。AIを使う一般的な音声の翻訳は、いったん文字に起こしてから訳すが、これは音声を直接別の言語に訳すことが特徴だとしている。このシステムは、去年11月に都内で行われたソフトバンクグループとアメリカのエヌビディアのトップ会談の会場で使われていた。Kotoba Technologiesを率いるCEOの小島熙之さんとCTOの笠井淳吾さんは、アメリカの大学で生成AIを研究し、博士号を取得している。開発にあたって活用したのが、国のGENIAC(ジーニアック)という国産生成AIの研究開発を支援する制度。選抜されたのは30社。すでにユニコーンになったプリファードネットワークスや自動運転を開発している会社などが選ばれ、補助金の総額は340億円に上る。会社では、国からの補助金を新たな研究に活用している。英語以外でも通訳ができるシステムを開発して、日本初のユニコーン企業に成長していきたいと考えている。