モーサテ (ニュース)
SMBC日興セキュリティーズアメリカ・井野口志保さんの解説。高インフレによりアパレル関連の動向に注目しているという。4月の小売売上高の全体の伸びは、前の月と比べて横ばいだったが、衣料品・アクセサリーの売上高は1.6%増加しプラスの伸びとなった。消費全体では、減速感が見られるが、夏の旅行や結婚式などのイベントシーズンを控えてアパレル消費は堅調さが伺える。しかし、アパレル企業の2月から4月期の決算を価格帯別で見てみると、高価格帯のブランドは売上高成長の減速や減収傾向がある一方、過剰在庫となったブランド品などをメーカーから買い取り、値引き販売するオフプライスストア企業や低価格帯ブランドでは、好決算や見通しを引き上げる企業が目立ち、明暗が分かれる形となった。消費者の間でより安い製品を買おうとするトレードダウンの動きが鮮明になってきている。サンフランシスコ連銀のレポートによると、家計の累積余剰貯蓄は、コロナ禍に政府からの給付や巣ごもりで積み上がり、2021年8月に2兆ドルを超えていた。ただ、今年3月時点でマイナスに転じ、消費者が余剰貯蓄を使い果たしたことが示唆された。4月は減少幅が拡大して、マイナス1700億ドル近くとなっているとのこと。