ワールドビジネスサテライト (ニュース)
アメリカ・ワシントンで14日開催された、陸軍創設250年を記念する軍事パレード。このパレードを前に、トランプ大統領は日本製鉄によるUSスチールの買収計画を承認した。日鉄はUSスチールの普通株100%を約2兆円で取得し、完全子会社化。生産量で世界4位の日鉄はこの買収で世界3位に迫り、今後成長が期待されるアメリカ市場で鉄の生産から製品化までを一貫して行う計画。USスチールは、「鉄鋼王」の異名を持つ大富豪アンドリュー・カーネギー氏が設立に関わったことで知られ、「US(米国)」を冠した特別な企業。買収計画の公表時、バイデン政権では買収の禁止が命じられた。トランプ氏も当初難色を示していたが、承認を取り付ける決め手となったのは買収後の巨額投資だった。日鉄は2028年までに約1兆6000億円の投資を確約し、さらに経営の重要事項に拒否権を与える「黄金株」をアメリカ政府に発行することも承認の大きな背景になったとみられる。大和証券の尾崎慎一郎シニアアナリストは「アメリカで鋼材の需要が伸びなければ、構造改革において黄金株による制約が生じる可能性はゼロではない。しかし関税の障壁で守られているマーケットなので、市場シェアを引き上げていくポテンシャルはある」などとコメントした。